
フロントブレーキの調子が悪いなと思ってたけど、「ブレーキパッド替えれば大丈夫でしょ」と軽く考えてパッド交換した時のお話です。大昔に買ったブレーキパッド(4年物)を取り付けよう思ってパッドを外してみたら「思ったより減っていない…」。ブレーキの調子が悪い原因を探ると、なんと「ブレーキピストンの動きがしぶすぎる」状況で引きずりが発生していました。


普通は古いパッドを利用してドライバーなどテコの原理で押し戻すのですが、ドライバーが曲がるほど頑張っても戻りません…仕方がないので近所のアストロに「ピストンツール」を買いに行き、それを使って押し込みました。これはピストンの動きが渋すぎるなと、「ブレーキレバーにぎにぎ」と「ピストン押し込み」を繰り返してみようとブレーキを数回握ると…シールごと飛び出してきましたよ(汗。これは「オーバーホールが必要なレベルだ…」とフロントブレーキのオーバーホールとなりました。
ブレーキキャリパーのオーバーホールに必要な部品
オーバーホール時に取り外すシールやゴム類などの再利用ができない部品たちを買い揃えないといけません。
ワッシャーブレーキフルード✖️2:59502-09J00
ブレーキホースとキャリパーを外すため、ホースを挟み込むワッシャ(両側にクランプさせてボルトで固定)を購入。ホース交換時は4個必要になりますね。
ブレーキフルード
2023年から2年寝かせてたブレーキフルードです…フルードを抜くので補充用に利用します。2年物でも問題ないでしょう。
ブレーキキャリパピストンセット✖️1:59301-09810

ピストンを磨くのが面倒なのでセットで買っちゃいます。「シールセットのみ」の品番は「59300-10810」です。結構なお値段ですよね。
ブレーキパッドスプリング✖️1:59315-09J00

交換は必須ではないけど念の為に購入。
ブーツ✖️1:59312-09J00、ブッシュ✖️1:59313-09J00

ゴム系なので念の為購入しました。外す時に破れたりしがちな気がしていましたが、普通に再利用可能な雰囲気でした。
NTB ブレーキパッド A61-002SN(2021年12月17日購入…)

なんと4年物のブレーキパッドです。通勤に利用していたので、すぐに替えるだろうと思っていたけどコロナ禍とかあって全然乗ってなかった状況です。隣の純正部品はリテーナーと呼ばれるマウンティングピンにハメて抜け防止するようなやつです。いつも気がつくと無くなっているので複数購入しています(汗。
フロントキャリパーオーバーホール
パッド交換なら「30分もあれば終わるぜ」と思っていたのでバラしたままの状態で部品が揃うまで一週間ほど待ってからオーバーホールを開始しました。各項目に今回の作業時間を記載しています。「あーでもない、こーでもない」と知恵熱が出るほど格闘しながらやったので結構時間かかってます。
外装取り外し(30分)


まずは外装の取り外しから始めます。今回はブレーキホースも交換予定なので、フロントカバーも外しておきます。何気にミラー外したりとかカウルの取り外しは面倒ですよね。フロントカバーは上部2箇所にフックがあるので上側にガバっと持ち上げて外れなければハンディリームーバーを挟みつつ外します。マスターシリンダーを見やすくするためにメーター側も外す必要があります。
必要な工具はミラー外すのに「14ミリのスパナを2本」と「プラスドライバー」とカウルの隙間に入れて浮かせたりできる「ハンディーリムーバー」もあると便利ですね。
キャリパー分解清掃(3時間)


ブレーキダストまみれのキャリパーを分解して清掃します。まずはマスターシリンダーの蓋を開け、キャリパーにあるバルブを開けてフルードを抜きます。これまた何年前のものだかわからないパーツクリーナーを吹きかけながら、ペーパータオルで綺麗にしていきます。この手の作業には使い捨てのニトリルグローブとスコットのショップタオルは必須ですね。
で、ここで問題発生。ピストンが抜けません。固着しているなとは思っていたけど油圧で動いて、ディスクブレーキピストンツールで押し込む事ができたので、気軽にフルード抜いちゃいましたがエアーで押してもピクリともしません(汗。
ネットで調べると抜き出すツールがあるようなので、アストロへと走って「キャリパーピストンツール」なるものを購入してチャレンジです。
これ使ってもうんともすんとも言いません。ピストン固着の力を舐めていました。色々といじっているうちにキャリパー内のシールも外れてしまい途方に暮れていました。が、ここでもう一度「油圧の力」を信じることに。ちょうどフルードは1Lもあるので、再度ホースを取り付けてエア抜きしながら押し込んでいくと…ピストンが出てきました。
シールが外れている関係で途中からフルードが漏れてきたので、再度ピストンツールを利用して抜き出そうと頑張りますが、これまた「うんともすんとも」状態から抜け出せません…ブレーキホースを繋いだままコンプレッサーのエアーを注入するとピストンが吹っ飛んでいきました(汗。
全部のパーツが分解できたので、パーツクリーナーで清掃します。固着してても油圧の力を信じていけるところまでは油圧で押し出すのが正解でしたね。無駄な工具(キャリパーピストンツール)買ってしまった(汗。コンプレッサーがない人で固着してなきゃこのツールでもイケるのかな。
ちなみに一番時間を取られたのは「シリンダー内の清掃です」。フジツボのような汚れがシリンダー内のシールを取り付ける溝に付着していました。パーツクリーナー使って拭いても取れないので、ナイロン研磨たわしで、指で触ってザラザラ感がなくなるまで磨きまくりました。あと「ブレーキパッドマウンティングピン」も滑りが悪かったので磨きまくりました。
キャリパー組み立て(30分)



綺麗にしたら組み付けます。ピストンのシールはブレーキフルードを塗ったくり取り付けます。ピストンは新品なので、すんなり入るのかと思ったら、手の力では全く入って行きません。ぴくりともしないので、ピストンツールで押し込みました。
次はパッドスプリングを取り付けます。ピックツールを使って下から掬うように取り外したので、ピストン側を先にセットしてから押し込みます。スプリングに圧をかけないように取り付けもピックツールで押しました。
最後はブーツを取り付けてから、適当な棒でグリスを塗ったくります。ブレーキキャリパブラケット側にもグリスを塗りブレーキパッドマウンティングピンと共にブレーキパッドを取り付けて完了です。
キャリパー取り付けとエア抜き(30分)

一人ブレーキDIYに必要なのが「ワンウェイバルブ」です。ごちゃごちゃガレージを探したら、大昔に購入したものが見つかりました。なかったらまたアストロにはし(ry。次の使った工具一覧の写真上にあるやつです。ボトルはいらないかな。量もそんなに出ないので皿とかウエスとかで受けれるレベルです。
漏斗で流し込みながらブレーキにぎにぎしてある程度行き渡ったら「ブレーキ握ってバルブ閉めてブレーキ戻してバルブ開ける」をエアーが見えなくなるまで続けて本締めして完了です。
ちなみにブレーキホースのボルトの締付トルクは「23N・m」です。ブレーキパッドマウンティングピン(写真裏側の六角)の締付トルクは「13N・m」、キャリパーマウントボルト(フォークの2つ)の締付トルクは「26N・m」です。エアブリーダーバルブ(エア抜きする時のやつ)の締付トルクは「6N・m」ですが、位置的にトルクを測れないので感覚で。
キャリパーオーバーホールに使った工具たち

写真の上左は握力が足りないのかピクリとも動かず。結局今回は固着からオーバーホール後までこの工具を使ってピストンが動いたことは一度もありませんでした(汗。
ねじ式(写真の上中)はそれほど力も必要せずに渋いピストンも動きました。今後はピストンの「押し込み」はこのツールで行い、「押し出し」は油圧とエアを使う事にします。
ワンウェイバルブは上にも記載している通り、一人でやるにはあった方が良いです。タンクはいらないですけど。
写真下段は通常の工具たちです。ソケットはキャリパー固定とホースが「12mm」とフォークとホースを固定するのが「8mm」です。ブレーキパッドマウンティングピンの六角が「4mm」でした。あとはトルクレンチですね。適当でも良いですが私はボルトねじ切るのが得意なので常に利用しています。※ねじ切るのはほぼ「緩める」タイミングですが
雑感
流石にオーバーホールするとブレーキのタッチが全然変わりますね。あまりフロントをガッツリ使う乗り方はしない方なので気になりませんでしたが、よく今までの状態で乗れてたなと…リアも引きずっているので近い内にリア側もメンテ予定です。タイヤ交換と一緒にやろうかなと思いますがいつになるやら。
本当はメッシュホースもあったのでマスターシリンダーオーバーホールとともにやっちゃおうと考えましたが、ピストン抜くので疲れ切った事や2月の寒波到来で長時間のガレージ作業が辛かったので諦めました(汗。
久しぶりにアドレス110君と会話(メンテナンス)しましたが、会話すると愛着が湧きますよね。今後は金銭的に新しいゲタ(原付)を買う余裕はないので、大切にして行こうと思います。
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